UR都市機構が暮粋 くらしっく( 懐かしいけど 新しい)をキャッチフレーズに取り組んだリノベーション事業の紹介です。
関西地区から5団地がリノベーション団地として生まれ変わりました。ローコストで返信させるテクニックは民間賃貸経営でも参考になります。
UR都市機構がレトロな団地をリノベーション
目次

金剛団地 出典UR都市機構
40年近く経った老朽化の進んだ団地を大掛かりに改修せずに変身させています。そのコンセプトは
この「暮粋」は、ただ団地を現代風に刷新するのではなく、歴史ある団地に受け継がれてきた住まい・暮らしのカタチを活かすことをコンセプトに、必要最小限のリノベーションを行う、エコの視点を取り入れたプロジェクト。古きよき佇まいを残しながら、現代のライフスタイル、これからの環境問題にもフィットする、新たなリノベーションのあり方を提案しています。 UR都市機構
実施した団地は
- 香里E団地(枚方市)
- 向ヶ丘第二団地(堺市)
- 総持寺団地(高槻市・茨木市)
- 観月橋団地(京都市)
- 金剛団地(富田林市)
以上の5団地です。 建替えをせずに色々と取り組むUR賃貸には敬意を評します。(日本一の大家さんですし!) UR×MUJI 団地再生の時と同じくアイデア・発想は古い賃貸マンションを経営されるオーナー様や管理会社様のヒントになればと思います。
さて、そのポイントとは。
UR都市機構 暮粋 Kura-Chic のコンセプト
- 古さを活かして、もう一度、正面から団地の良さを引き出したい
- 屋外環境の豊かさや成熟した団地の良さを取り込んだ新しい住まいを
- レトロ感はあるけれども、新鮮な印象を受けるデザインを目指す
上記2項目に ついては民間の賃貸オーナー様には無関係なのでデザイン面に焦点をあてて説明します。
金剛団地の建物外観と間取り図
金剛団地のリノベーション例
各部屋はシックに、まさしく暮粋(くらしっく)です。
水回りも従来の古いUR賃貸の住宅とは違っています。 何といってもアクセントの色使いの優れている点です。 今回の5団地は色使い(カラーリング)にこだわっています。
ビフォーとアフターで見比べてみましょう。イメージが分かるはずです。
金剛団地のリノベーションポイント
- 研ぎすまされた蒼
- いぐさの香りのする畳
- 暖かい照明
- 明るい床
先にも書きましたが今回はカラーリングに特にこだわったようです。 この蒼は良いセンスです。
1〜2階を年配の方に受け入れられるようレトロカラーを取り入れ、3階以上は若い世代を想定して白を基調にしたそうです。 お風呂のリフォームも同じですがカラーリングでずいぶん雰囲気は変わる物です。
畳もこだわった上にカラーリングにもアクセントを上手く使っています。 リノベーションもスケルトンにして全面リフォームするのでは無く、活かすところは活かして、カラーリングにこだわれば対費用効果も上がりますね。
暮粋の設備面はどうなのか
驚いたのは洗濯パンがキッチンに有るのです。 よくよく考えて見ると昭和30〜40年初めの建物には室内に洗濯機という概念が無かったのです。
UR都市機構の方もこれには困ったと思います。 スペースと排水の関係でキッチンの横に決まったのでしょう。 案外、慣れてしまえば違和感は無いのかもしれません。 でも、新しい洗濯パンはいいもんですね。
従来のUR賃貸の住宅は新しい建物も古い建物もここだけは現状復帰が出来ていないんです。 (リプロのコーティングなら簡単にピカピカに出来るのですが) ”洗濯機がおかれたら見えませんよ”と聞いたことが有りましたが、見に来た入居者様は見ますよ。まだ住んでいないのですから!
それと電気設備面も苦労されたと思います。大型家電の無い時代の設計ですから。(この分野は得意でないのですいません。) そろそろまとめに入ります。
リプロのズバリ一言
UR都市機構の暮粋の団地再生(リノベーション)は前回のUR×MUJI団地再生と比べて格段に素晴らしいと思います。 一部屋にかかった費用は分かりませんが、今回は郊外型の団地で少し占有面積は小さいですが、家賃は49,800〜58,900円。 UR×MUJIは70,000〜90,000円に比べるとこちらに軍配は上がります。
民間のオーナー様も築年数の経った古いマンションのリノベーションの参考になると思います。 ただ、今回も浴室の写真紹介は無いですね?
古いマンションで参考にすべき点まとめ
- 内装にカラーリングでシックにアクセント(建具もアクセントに使えます)
- 和室も畳の配置やカラーリングでアクセント
- 洗濯パンは現状復帰でキレイにしましょう(意外と汚いのは目立ちます)
- リノベーションは顧客ターゲットを絞りましょう(万人受けはありえません)
- 設備も十分考えましょう。
- お風呂は重要なポイントです。
お風呂リフォームの専業者としては最後の項目は重大なポイントです。
前回のUR×MUJIの団地再生でも書きましたが、タイルの床や壁は結構、入居者に敬遠されます。(特に床タイルはダメです。)
ユニットバスに入れ替える必要は有りません。パネルやシートの良い製品も多数有ります。 水回りは費用がかかりますが、ローコストのリフォーム方法は色々有ります。 一つ、忘れていました。
この点は少し納得がいかなかったお風呂の床のリフォームです。
今、流行の床シートで貼る方がおしゃれで冷たくないしよかったのでは!
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