お風呂の浴槽の材質と特徴を知って賢くリフォームしよう

お風呂を在来工法やユニットバスで選ぶにしても浴槽(バスタブ)がポイントになります

材質はFRP、人工大理石やホーロー等いろいろあります。どれを選ぶにも長所と短所を持っています。

それぞれの材質の特徴を知って自分の浴室ライフに合ったものを選ぶのが一番の方法です。

今回はお風呂の浴槽について材質によるメリット・デメリットをあげてみます。

浴槽の材質による種類の一覧と特徴

  1. FRP浴槽
  2. ホーロー浴槽
  3. ステンレス浴槽
  4. 人工大理石浴槽

FRP浴槽の特徴

FRP浴槽の写真

一般によく聞くのがFRP浴槽です。システムバス(ユニットバス)に多く使われています。

また、貯水タンクの内側やヨットの船体、サーフボードに使われている素材です。

FRPとはFiber Reinforced Plasticの略で,一般にガラス繊維強化プラスチックと言われます。不飽和ポリエステル樹脂にガラス繊維を混ぜて耐久性を高めた素材です。

一般に汎用ユニットバスのほとんどがこの素材を使った浴槽です。それではFRP浴槽のメリット・デメリットを説明します。

FRP浴槽のメリット

  • 軽量で防水性が高い
  • 経年劣化後の補修が容易
  • カラーバリエーションが豊富
  • 肌ざわりに温もり感がある
  • 保温性、耐久性、対衝撃性に優れる
  • 比較的安価で手に入る
  • 手入れが楽

まとめてみますと、FRP浴槽の一番の良さは軽量でその防水性にあります。木造戸建の2階の場合でも重量を気にせず設置できます。(ホーローや人造大理石では設置できないケースも。)

防水性という点では先にも書いたようにユニットバスに多く使われ、専門防水分野でもFRP防水という工種もあります。

意外と知られていないのは、経年劣化後の補修がしやすいという点です。ひび割れ等でも「FRPライニング」と呼ばれるガラスマット(繊維)と樹脂を使って現地補修が行えます。

カラーバリエーションが多いのも選ぶ方からは選択肢が広がるメリットです。

それというのもFRP浴槽の表面は別素材の塗装がされているからです。(MEMO参照)

浴室再生塗装(コーティング)という我々の職業もこの特性から成り立っています。

MEMO

FRP浴槽の表面塗布用のゲルコートは耐候性や強度をアップ、平滑化(なめらかさ)のために使います。流動性が高く硬化後に非常に強度をまします。

肌触りにも冷たい感じはせず温かみがあります。一般に良く普及しているのもこの点や大きなデメリットがない点が原因ですね。

保温性も良く、耐久性や衝撃に強く丈夫です。また比較的安価なのが大きなメリットになります。

FRP浴槽のデメリット

良いところばかりのFRP浴槽ですが、少しだけ他の素材にくらべて欠点もあります。

  • 汚れが目につきやすい
  • 質感が安っぽい

浴槽では一番にあげられるのは、水垢や汚れが付きやすい点です。それと汚れが染み込んだように劣化します。

また、長年使用すると浴槽が色あせたように劣化するのも特徴です。このことは先に書いたように表面塗装をしているためです。FRP自体の劣化ではありません。

次に質感ですがこれは好みの問題もあると思います。人工大理石やホーロに比べると光沢感が少し劣ります。

ホーロー浴槽の特徴

ホーローとは鉄やアルミニウムなどの表面にシリカ(二酸化ケイ素)を主成分とするガラス質の釉薬を高温で焼きつけたもので、浴槽以外に食器や調理器具に使われています。

その歴史は古く紀元前のエジプトのツタンカーメン王のマスクが最初のホーローと言われています。元来、金や銀にエナメル質を加工した言わ七宝焼きのようなものでした。この事は古代からこの技術が存在したと言う事です。

食器や調理器具に使われるのは表面がガラス質のため雑菌が繁殖しにくいためです。そのうえ食材の風味も逃さないために多様されています。明治23年に日本陸海軍にも食器として正式に採用されています。

昭和40年に最初の鋳物ホーロー浴槽が日本住宅公団で採用されました。以後、急速に普及していきます。このように浴槽で使われるのは美しさと熱伝導が良いために保温性が良いことです。ホーロー浴槽のメリットを列記していきます。

ホーロー浴槽のメリット

  • 独特のなめらかな肌ざわり
  • 美しい色合い
  • 保温性の良さ
  • 手入れが楽

上記のように表面を覆うのがガラスのために独特の美しさと色合いがあり、保温性の良さから普及率も高いです。高級感があり、一流ホテルにも多く使われています。FRP浴槽が普及する前は結構な数が戸建のお風呂に設置されていました。

また、手入れが楽という点は使う方にとって大きなメリットです。汚れや湯垢も簡単に落ちます。ガラス質ですので、シミやカビはありません。匂いも染み込みません。

ホーローは製造工程で2種類あります。鋼板ホーローと鋳物ホーローです。(MEMO参照)

MEMO

鋼板ホーローとは鉄板にガラス質の釉薬を塗り高温で焼き付けたものです。一般的にホーローとはこちらをさします。

鉄板とホーローとの密着性が良く、加工性も優れています。耐久性、清掃性も共に良い為にキッチンやお風呂、洗面所に向いています。

鋳物ホーローは金属を溶かして鋳型に流し込んで作ります。鋳物の強度は鋼板よりすぐれ、ホーローと相まって滑らかで耐久性の優れた製品です。衝撃に強く、ねじれや変形が少なく、熱伝導に優れています。

鋳物ホーローは鋼板ホーローより滑らかな為、汚れが付着しにくくキッチンや浴槽のほか食器や調理器具に多く使用されています。

ホーロー浴槽のデメリット

  • 鋳物ホーローの場合、重量があるため階上浴室に不向き
  • 価格がFRP・ステンレスより高め
  • 表面に傷がつくと腐食の危険性がある

見た目の高級感を持つホーロー浴槽ですが、鋳物ホーロー浴槽だけの重量が100㎏前後あり、お湯と人間の重量をプラスすると400kgをゆうに超えます。

1㎡ないところにこれだけの重量がかかれば、階上のお風呂の場合は何らかの補強をしないといけません。

階上でなくても20年以上たってリフォームを考えた時にはこの重量は解体撤去費用に影響します。製品自体の直接のデメリットではないのですが記載しておきます。

価格の点は1点1点手作りなので仕方がありません。値段や重さを気にしないのであれば高級感ゆえの出費と考えられます。

後々、一番気を付けなければならないのは補修のしにくさです。万が一ガラス面に欠損や傷ができた場合早急に対処しなければ、サビがでます。

メーカーの対応は補修材を売っているのは知っていますが、2液性のエポキシパテのようなものです。

浴室再生のコーティングもありますが、浴槽すべてに補修の後、塗装をするにもアクリルウレタン塗装ですので光沢はあっても、ホーロー表面のガラス系ではありません。

私の経験上だけですが、この再生塗装も不具合をだす施工業者が多いのも事実です。ステンレスも含め難しい塗装ですので業者選びが難しいところです。

ホーロのサビでお借りした写真の専門業者様のサイトも参考にしてください。ベテランらしく良く勉強されていて、経験も豊富な社長様です。

参考 浴室・浴槽はここまで蘇るハートランドとつぼ

腐食すると痛みが早いので早期に手を打たなければならない浴槽です。

製造工程が大事な製品です。特に鋳物ホーロー浴槽の場合は会社の経験値が大事ですので製品選びは価格だけでなく社歴等を参考にしてください。

ステンレス浴槽の特徴

ステンレスとは英語で錆びないという意味です。このことは水回りの浴槽にとって良いことです。流し台を例にとれば一目瞭然です。

耐久性にすぐれ、ひび割れも起こりにくい素材です。汚れやにおいが付着しにくいという利点も持っています。

その反面、金属感ゆえにお風呂では嫌う人も多いのが事実です。が、シャープさを好む人もおられます。

いろいろとありますのでステンレス浴槽のメリットを列記していきます。

ステンレス浴槽のメリット

  • 高い耐久性と保温性
  • サビがない
  • 価格が手ごろ
  • サイズが豊富になった
  • カラーリングも豊富

耐久性が1番の特徴のステンレス浴槽は裏に保温材を吹き付けいるので保温性も優れています。

腐食の心配がないのも大きなメリットです。ステンレスは「不動態被膜」と呼ばれる独特のバリアがあり、もし剥がれても成分のクロムと酸素が反応して瞬時に被膜を再生します。この効果は半永久的に持続します。

価格帯もお手頃です。また、近年は小さいサイズだけでなく豊富になっています。

本来はシルバーのメタリックがカラーですが、焼付塗装によってカラーリングされた浴槽もあります。(これ自体はステンレス浴槽のメリットやデメリットを論じるのは問題なのですが。)

丈夫で長持ちがステンレス浴槽の最大のメリットです。

ステンレス浴槽のデメリット

良い点だけではありません。デメリットについて書いていきます。

  • 経年劣化で光沢がなくなる
  • サビはないがもらいさびは落ちにくい
  • カラーリングで表面塗装したものは剥がれる恐れがある

経年劣化で光沢がなくなるのはFRP浴槽も同じです。やはり表面がガラス素材のホーローに軍配が上がります。

キッチンシンクなどでも見受けられますが、鉄製品などを置いておくと腐食しないステンレスに鉄のサビが付きます。これを「もらいサビ」と言います。浴槽などでは髪留めやピンなどを置くことは厳禁です。

3番目はステンレス自体のデメリットではないのですが、カラーリングのために塗装をしていると剥がれる恐れがあります。この補修がかなり難しいのです。

なぜかと言いますと前記の「不動態被膜」のために浴室再生塗装が非常に難しくなります。すぐに剥がれる原因も作ってしまいます。カラーリングの塗装は半永久的ではないことです。

ステンレス製品は2種類あります。磁石がつくものと、つかないものがあるのです。(MEMO参照)

MEMO

クロム系とニッケル系

クロム系とは鉄、クロムの合金で磁石がくっつきます。屋外では腐食します。

ニッケル系は鉄、クロム、ニッケルの合金です。磁石はくっつきません。腐食しません。

人工大理石浴槽の特徴

近年人気の人工大理石浴槽ですが、こちらもメリット・デメリットがあります。その前に人工大理石も人造大理石も「人大」(じんだい)と呼ばれますが、根本的に違います。このことから説明します。

人工大理石は大理石は含まず、アクリルやポリエステル、エポキシなどの樹脂でできています。

アクリル系人工大理石とは

アクリル系の樹脂と無機物を混合して加熱、加圧した材料です。2次加工しやすく、大理石の風合いを保ちながら耐衝撃性に優れ、手入れも簡単なことからキッチンカウンターの天板や水回り製品に多く使われています。

表面は滑らかで黄ばみが起こりにくく、耐熱温度も180〜260度くらいあります。

ポリエステル系人工大理石とは

ポリエステル系樹脂に骨材を混ぜて製造されます。アクリル系より安価ですが高級感ではアクリル系に勝てません。また、紫外線で変色します。

もちろん、住戸内では紫外線の影響が少ないため浴室向きと言えます。浴槽では表面保護のためにゲルコートを施したものもあります。ただ、FRP浴槽同様に傷がつきやすくなります。

人造大理石とは

樹脂を使わず天然大理石を粉砕し、樹脂やセメントで固め、表面を研磨した材料です。浴槽などの複雑な形には適していないとも言えまが、製造している大手メーカーもあります。

人工と人造の違いがお分かりになったので、本論の人工大理石浴槽についてのメリット・デメリットについて説明します。

人工大理石のメリット

  • 汚れが簡単に落ちる
  • 質感が素晴らしい
  • 肌触りが良い
  • 樹脂なので色目や柄が作れる

人工大理石はキッチン周りや洗面台によく使われているのは汚れを落としやすく、お手入れが簡単と言うことです。浴槽も同じでメンテナンスの良さが売り物です。

特にアクリル系の人工大理石の質感は素晴らしく、滑らかです。肌触りも満点です。

樹脂系の最大の売りは「大理石柄」のようなものから、顔料で着色して綺麗な色目を作れます。高級な質感と色目はホーローや人工大理石が他の材質に比べて優れています。

こちらも少しだけデメリットもあります。

人工大理石のデメリット

  • 材質によっては重量がある
  • 樹脂なので研磨材や溶剤に弱い

樹脂といえども重量はあります。鋳物ホーローほどでは無いのであまり重要な問題ではありません。あくまでFRPやステンレスと比べての話です。

研磨剤や溶剤で侵食されるのは、メンテナンスに注意をすれば良いことなのでデメリットとするには厳しすぎるかもしれません。ただ、ポリエステル系の場合はゲルコートで表面を補強していることが多いので、材質によって注意が必要です。

浴槽の材質のまとめ

浴槽の材質によってメリット・デメリットを書いてきましたが、どの材質もどのメリットを取るかで考え方が変わってきます。一度購入すると15年や20年以上使うものですので、最低限の知識を持って選ぶのが最良です。

材質によって違うメンテナンスの方法や補修方法についても追記したいと思いますのでご期待ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です